ホームシューレとは

ホームエデュケーションしてみませんか?

 

 みなさんは「ホームエデュケーション」とか「ホームスクーリング」ということばを聞いたことがありますか? 「ホームエデュケーション」はおもにイギリスで、「ホームスクーリング」はおもにアメリカで使われている言葉です。どちらも、家庭を拠点とした教育のあり方をさしています。それらは、日本でいうところの「家庭教育」とも「自宅学習」ともちがいます。「家庭を拠点にする教育」とは、「学校」に行くあり方ではなく、「家庭」を主なよりどころとして成長していくあり方をさします。

  欧米ではこうした教育が成長のひとつの道として市民権を得ており、社会的に認められています。しかし、日本では「義務教育」の「義務」が子どもの義務でないにもかかわらず、学校を絶対的とする見方が強く、学校へ行かないことが問題行動とされてきました。学校に合わない子への対応は遅れており、結果的に家で過ごすしかなくなった子どもたちが「コミュニケーション力が低いなどと問題視され、家にひきこもるしかなくなっているといったことがよく起こっています。

 子どもの成長は、学校だけではありません。学校へ行かないからといって、適応指導教室やフリースクールに通わなくてはいけないものでもありません。学校にこだわって考えると、在宅のお子さんが心配になってしまうかもしれませんが、「わが家はホームエデュケーション」という意識で暮らせば子どもへのまなざしは、もっとあたたかく、肯定的になることでしょう。「うちの子は学校だけでなく、どこにも通えていない」と思い悩んでいる保護者のみなさんには、「うちの子はホームエデュケーションで家庭の過ごし方や人との付き合いを学んでいくほうが合っているかもしれない」と考えていただきたいと思います。

 「ホームエデュケーション」というとすぐに、母親が教師がわりに教科書を教えるとか、家で通信教材をやらせるイメージが思いうかぶ人が多いのですが、そうではありません。それぞれの家庭で、お子さんの興味・関心・ペース・感じ方などを大切にしながら、親が責任をもっていくというやり方が「ホームエデュケーション」で、そのかたちは、いろいろあるのです。子どもへの評価は、「まずはその子に合っている環境が与えられてから」で良いのではないでしょうか。

 今の日本では、学校に行かず(不登校で)家にいると、どうしても孤立させられがちです。そのため「情報が欲しい。仲間と出会いたい」という要求を多くの不登校のお子さんの家庭でもっていらっしゃることがわかりました。そこで、この「ご案内」にあるような活動をしています。現在、全国でおよそ120家庭(2023年5月現在)がつながりあっています。

 どうぞあなたも、お仲間に加わってください。たがいに知り合ったり、ともに楽しく生きるエネルギーや知恵を交流できればうれしいです。何より「この子がうちの子で良かった。見る角度を変えたら、いろんな個性が見えてきた。私の子育ては間違ってなかったんだ」と思っていただきたいと思っております。

 


「ホームシューレ」とは

目標イメージ

 ホームシューレは、家庭を基盤として学び・成長する子どもとその家族のための専門支援機関です。全国的なホームエデュケーションネットワークでもあり、居住地を問わず参加することができます。1993年に活動を開始して以来、約2150家庭が参加してきました。2023年現在、全国で約120家庭がつながっています。

 子どもが学校に行かなくなった時、近所に同じような立場・同じような考え方の人がいないため、孤立してしまうことがあります。そうした人たちがホームシューレのつながりによって自分を肯定できたり、ホッとする居場所を得たり、主体性を発揮できるようになったり、自信をもって生きていくことができる・・・そんな役割を果たしていきたいと考え、活動しています。

 ホームシューレは会員どうしの「つながり」を大切に考えています。会員専用のSNS、月刊交流誌、各地のサロン、オフ会、全国合宿、相談などです。また、保護者にも専用のHP、月刊情報交流誌等が用意されています。 それぞれの家は離れていても、多様な交流活動のチャンネルを用意していますので、是非ホームシューレで価値観を共有できる仲間を見つけていただきたいと思います。