学習サポートで出会える子どもたち

 学習サポートは、一般の教材を利用して、子どもと担当スタッフとの間で郵送されるテキストのやり取りで学習を進めるものです。
 テキストからは顔こそ見えませんが、鉛筆の力のいれぐあい、消しゴムの痕跡、そして計算の過程やら、選ぶ言葉などから、子どもの心の動きが伝わるのを感じます。彼らが問いに答えようとするときには、少なくとも一瞬は全能を傾けているのですから、そういうパワーがプリントにこもっているように思えてなりません。
 たとえば、このような問題と答えがあります。

 この教材の解答例は、
「遠くに山があり、小川が流れている。川岸には木が一本あり・・・」
という調子なのですが、この答えを見ると私には、この子がこの絵の中に入って、キョロキョロと辺りを見回してそこの様子を私に伝えてくれているように思えて、解答例なんかよりずっと優れているじゃないかと思うのです。
 子どものそんな様子を見るのが楽しくて、私は毎日郵便受けを気にしています。子どもたちは学校を離れても、学習の機会を望んでいることだってあると思います。
 そして、私のような、「よそのおとな」から何かを教わったり、おとなに対して何かを伝えることができたという体験は、子どもたちの奥深いところに他人や社会への信頼感を芽吹かせ、安心に満ちた丈夫な心を育てるかも知れません。
 たとえ学習面での焦りがきっかけだとしても、私は子どもたちに学習というものの、もっとおおらかなで雄大な意味が伝わるように力を注ぎたいと思っています。

(学習サポート担当スタッフ:岡崎徹夫)